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海ホタルって知っとる?
■ 海ホタルの話 (2004.12.15up)

岡市先生

10月10日に開催した「なおしま自然探検隊」で子ども達に大好評を博した海ホタル採取体験。

その時に大変お世話になりました香川大学名誉教授の岡市先生【写真左】が、お忙しい中にも関わらず、何とわざわざこの駄サイトのために海ホタルについて執筆してくださいましたので、ここに掲載させていただきました。

 岡市先生、ありがとうございました。できましたら第2弾も楽しみにしています。

「うぃ・らぶ・なおしま」メンバー一同

海ホタルの話 (香川大学名誉教授 農学博士 岡市 友利)

海にはホタルイカやゴカイの類をはじめ深海魚その他の魚など、多くの発光生物がいますが、瀬戸内海沿岸に住んでいる私達の身近でしかも観察しやすい生物が海ホタルです。夜光虫とよく間違えられるが、ヒキまたはシキとよばれ昔から香川県の人たちはそれが全く別の種類であることを知っていました。

海ホタルは、昆虫類やエビ、カニなどとともに甲殻類の一種で、介形目に属し、ヴァルグラ ヒルゲンドルフィー(Vargula hilugendorfii)という学名が付けられています。海ホタルというのは日本の学界で付けられている和名で、私達の通称が学名になっているまれな例です。

日本の北海道以南の浅瀬の海で簡単に採集されるので、香川県粟島、東かがわ市などの中学校などで、環境教育の研究材料になっています。夜、底の砂泥からでて泳ぎ回り、ときには水面近くに浮かび上がり、数センチくらいの光雲となって見えることがあります。10月10日の直島自然探検隊が日没後に採集しようとしたときに、この光雲が数十流れているのを多くの人たちと観察しました。らせん状に海ホタルが浮き上がりながら泳いでいるといわれていますが、自然探検隊が観察したときには一匹の海ホタルの光とは思えない大きさでした。来年はプランクトンネットなどを使って調べたいと思います。

直島で7月ころに採集した海ホタルはほとんど1mm以下くらいであったと聞いています。海ホタルの大きさは、雌では3mm、雄で2mmくらいです。

雌は背中の中で50くらいの卵を育て、背中から子供が生まれる時はほとんど親と同じ形をしています。2ヶ月くらいかけて5回脱皮して親になり、その後2〜3ヶ月は生きています。直島で採集された海ホタルは幼虫であった可能性があります。飼育して観察しても面白いと思います。

海ホタルのような海洋生物の発光の役割について、東大海洋研の和田さんは、「身を隠す」、「敵の眼をくらます」、「仲間と交信する」、「辺りを照らす」、「餌を誘き寄せる」の5つをあげています。これらの役割を同時に果たすこともあると思います。

来年の夏を楽しみにしています。

■ 海ホタルって知っとる?
海ホタルを知っていますか?( うい・らぶ・なおしまメンバー 浜 中 )
「こっちの水はあまいぞ♪」の歌で昔から親しまれている、初夏の風物詩として有名なホタルは、皆さんもよくご存じだと思います。神秘的な光りを放ちながらゆらゆらと飛んでいる様子を見ていると、幻想的な気持ちになっていつまでも見ていたくなるものです。

ここ直島でも数年前から、ライオンズクラブと小学校児童が協力し、毎年ホタル鑑賞会が開かれていて、何とか直島産のホタルを育てたいと努力されています。しかし、元々ホタルの餌となるカワニナがいないことや、大きな川がなく小さい水路では真夏に水温が30度を超えてしまうことから、なかなかうまく育ってくれないようです。もうすぐ70歳になる私の父親が子どもの頃は、直島にも水田がたくさんあって、自然のホタルもいたと聞いていますが、水田がほとんど無くなった現在では、ホタルの飼育も少し無理があるのかもしれません。

ところが・・・です。

この直島にも昔からホタルがいて、今もとてもたくさんいるのです!
それが、このテーマである「海ホタル」です。

直島生まれの直島育ちで40歳代後半になる私ですが、夜光虫については昔からよく見て知っていたものの、海ホタルについてはこの歳になるまで全然知りませんでした。今年のうい・らぶ・なおしま定例会の時に、メンバーの1人が乾燥した海ホタルを持って来られて、それをワイングラスに入れ水に加えてかき混ぜてみると・・・暗闇で青白く光るではありませんか!その海ホタルは同じ瀬戸内海の島で採れたもので、直島にもきっといるだろうとの話でした。その場にいたメンバー全員がその美しさに感動して、「今年の自然探検隊は海ホタルを採ろう」と決まるのに、それほど時間はかかりませんでした。

それで、さっそく1人のメンバーと仕事が終わってから海ホタルの採取に出かけたのですが、その時は知識もほとんどなく、まだ明るいうちに行ったため、見事に空振りでした。

その1ヶ月後くらいだったと思うのですが、夜の8時過ぎくらいにリーダーから電話があって、「今、海ホタルを採りょるけど、ごっつい採れよるで!(直島弁です)」とのこと。すぐに現場に出かけてみると・・・入れ物の中はもちろんのこと、通路にこぼれた海ホタルで足下まで青白く光っていて、それはそれはすごいことになっていました。

その後、直島の火まつりで海ホタルのデモンストレーションをしたり、なおしま自然探検隊で海ホタルの採取をしたりしましたが(特にこの時は海ホタルの乱舞というか集団発光が見られました)、香川大学元学長の岡市先生が海ホタルにお詳しいということで何回も指導に来ていただき、少しずつ海ホタルのことが分かってきて、「直島は陸のホタルより海ホタルだ!」と思うようになってきました。

ただ、採取は簡単でも飼育となったら海水を使うことからかなり難しいようで、8月には千匹以上採って水槽に入れエアを通していたのに、次の日には半分くらいに減っていて、水も臭いが悪くなっていました。 もう少し飼い方を勉強して、今度できる「海の駅」かつつじ荘に展示し、直島に来られた人たちにもぜひ見ていただいて、海の環境保全に興味を持っていただけたらいいなと思っています。

10月の初めに香川県で開催された豊かな海づくり大会で、岡市先生を中心に海ホタルの展示をされて、天皇陛下もすごく興味を持たれていたとのことですので、何とか直島でも海ホタルをまちおこしにつなげて行ければと考えています。
それでは、今まで勉強したことや、岡市先生の資料等から、この「海ホタル」について少し説明させてもらいます。

海ほたる講習会

海ホタルとは? 1.海ホタルの概要
海ホタルは、日本の沿岸の浅海の砂泥質の海底に住む甲殻類の介形虫亜綱に属する2〜3ミリ程度の底棲生物である。日本周辺では約500種が知られているが、発光種は極めて限られている。
ミジンコと同じ仲間で、2枚の透明な殻で覆われている。外敵から身を守る時やメスを引き寄せる求愛活動時に光るとされている。 発光のシステムは、頭部の発光腺から発光物質ルシフェリンを含む液を分泌して、その液に発光酵素ルシフェラーゼが作用し、青紫色の神秘的な光を放つ。
2.採取して分かったこと
(1) 夜行性のため、明るいうちは砂などの中に潜んでいるようでほとんど採れない。
(2) 雑食と聞いているが、採取用のエサとしては肉が一番良いようで、焼肉用のタレの付いたものが一番成績が良かった。
(3) 確かめた訳ではないが、5月〜11月くらいまでが採取可能な期間のようである(6〜10月までは実際に採取した)。
(4) 一般的には2〜3ミリ程度の大きさとされているが、直島周辺のものは種類が違うのか、その大きさのものはほとんど採れず、0.5〜1ミリくらいの小さいものがほとんどである。
(5) 見るのは直島中で可能であり、ふるさと海の家「つつじ荘」前の砂浜でも夏の夜にはよく見られるが、採取するのは桟橋から採取器を垂らすのが簡単である(砂浜からでは波の影響で採取器が安定しない)。
3.飼育して分かったこと
(1) 水質の変化(悪化)には弱いようで、特に夏は海水を循環させる手段が無ければ飼育は難しいと思われる(エアを通すだけでは1日で半分、2日で3分の2くらい死んだ)。
(2) 飼育用のエサは、メダカ用の乾燥エサや生きたミミズなどが腐りにくくて良いようだ。
(3) 飼育容器には、休息場所として砂を入れておく必要がある(タッパーなどに砂を入れて沈めておけば、水替えなどの管理がしやすい)。

※ 岡市先生や引田中学校の研究資料を参考にさせていただきました。

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