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海ホタルの話 (香川大学名誉教授 農学博士 岡市 友利)
海にはホタルイカやゴカイの類をはじめ深海魚その他の魚など、多くの発光生物がいますが、瀬戸内海沿岸に住んでいる私達の身近でしかも観察しやすい生物が海ホタルです。夜光虫とよく間違えられるが、ヒキまたはシキとよばれ昔から香川県の人たちはそれが全く別の種類であることを知っていました。
海ホタルは、昆虫類やエビ、カニなどとともに甲殻類の一種で、介形目に属し、ヴァルグラ ヒルゲンドルフィー(Vargula hilugendorfii)という学名が付けられています。海ホタルというのは日本の学界で付けられている和名で、私達の通称が学名になっているまれな例です。
日本の北海道以南の浅瀬の海で簡単に採集されるので、香川県粟島、東かがわ市などの中学校などで、環境教育の研究材料になっています。夜、底の砂泥からでて泳ぎ回り、ときには水面近くに浮かび上がり、数センチくらいの光雲となって見えることがあります。10月10日の直島自然探検隊が日没後に採集しようとしたときに、この光雲が数十流れているのを多くの人たちと観察しました。らせん状に海ホタルが浮き上がりながら泳いでいるといわれていますが、自然探検隊が観察したときには一匹の海ホタルの光とは思えない大きさでした。来年はプランクトンネットなどを使って調べたいと思います。
直島で7月ころに採集した海ホタルはほとんど1mm以下くらいであったと聞いています。海ホタルの大きさは、雌では3mm、雄で2mmくらいです。
雌は背中の中で50くらいの卵を育て、背中から子供が生まれる時はほとんど親と同じ形をしています。2ヶ月くらいかけて5回脱皮して親になり、その後2〜3ヶ月は生きています。直島で採集された海ホタルは幼虫であった可能性があります。飼育して観察しても面白いと思います。
海ホタルのような海洋生物の発光の役割について、東大海洋研の和田さんは、「身を隠す」、「敵の眼をくらます」、「仲間と交信する」、「辺りを照らす」、「餌を誘き寄せる」の5つをあげています。これらの役割を同時に果たすこともあると思います。
来年の夏を楽しみにしています。
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